カテゴリ: ファシリテーションについて
アイデア出し会議のファシリテーション2
こんにちは、ひとまち物語工房の服部です。
先日からアイデア出し会議のファシリテーションについてお伝えしています。
きょうはその第2回目。
前回は、本題に入る前に場づくりの3つのデザインとして、プログラムデザイン、ファシリテーションデザイン、環境デザインのことをお話ししました。
きょうからは、アイデア出し会議のファシリテーションにおいて、これら3つのデザインをどう設計するのかをお伝えしていこうと思います。
まずは、プログラムデザイン。
これは、その会議や研修、ワークショップの場で何をねらいとして、どんなアクティビティ(活動)をどんな順番でするのかという流れを設計することです。
プログラムの大まかな流れとしては、①目的や目標の共有、②アイスブレイク、③メインコンテンツ、④振り返りということになります。
(※アイスブレイクについては、以前に「ファシリテーションについて」のカテゴリでご紹介していますので、ご参照ください。)
ここまでは、前回もお話ししました。
きょうは、ここから先に進みましょう。
まずプログラムデザインにおけるねらいの設計。
これは、場づくりの設計において最も重要なものです。
これがぶれていたり、不明確だと、何のために場を開いたのか、そこに集まった人たちは何をすればいいのか、どこへ向かうのかがわからず、何も生み出さずに終わってしまったり、場が崩壊してしまったりする可能性もあります。
ところが、この一番重要なねらいをしっかりと設計するのがけっこう難しかったりもします。
自分が一人で主催する場なら、自分一人で設計すればいいのかもしれませんが、複数の人がかかわって創っていく場では、その場のねらいを合意するだけでも一苦労だったりします。
これまでにNPO法人の理念づくりの場に何度か関わらせていただきましたが、理念づくりは、その活動のねらいをみんなで合意するための場です。
みんなが納得できる理念をつくりだすことは、とてもワクワクする場であると同時に、下手をすると理念に合意できなかった人が離反する危険性も秘めている緊張感のある場でもあります。
話がそれましたね。
まあ、このことはいずれまたどこかでお話しするとして、要はアイデア出し会議のプログラムデザインにおいても、ねらいの設計がとても大切であり、主催する側でしっかりと話し合って、合意しておくことが大事ということです。
OPEN STREET FUKUYAMA公開企画会議を例に少し具体的なお話をしましょう。
OPEN STREET FUKUYAMA公開企画会議は、2019年10月5日(土)6日(日)に実施される福山駅前の公共空間であるミチ(歩道)を使ってまちを楽しむイベントです。
また、その時の通行人数等のデータをもとに、恒常的にまちの賑わいをつくりだすための社会実験でもあります。
そして公開企画会議は、このイベントに一般市民の方々の意見を取り入れ、かかわっていただくための装置でもあります。
OPEN STREET FUKUYAMA公開企画会議は、全部で5回開催され、イベント当日に実際に実施することを企画し、実行段階にまで持っていくことをねらいとしています。
5回の企画会議で、アイデアを具体的な実行レベルまでに落とし込みます。
徐々にアイデアを絞り込み、具体化していくわけですが、各回ごとにアイデア出しの要素はあります。
なかでも特に第1回は、自由奔放にアイデアを出すことを重点的なねらいとしています。
そして、実は第1回の公開企画会議には、アイデアを出すという以上に重要な上位のねらいがあります。
それは、ここに集まった人たちが、この会議を面白いと思い、次からも参加したいと思える場にすることです。
それがなければ、どんなに面白そうな具体的なアイデアが出たとしても実行できないからです。
最後までみんなに関わってもらわなければアイデアだけの企画倒れになります。
誤解を恐れずにいうなら、この第1回の企画会議を終えた時の、その場の人たちの気持ちを設計しています。
でもそれは、マインドコントロールではなく、あくまでもその場に集まった人たちが主体的にかかわり、判断できる自由度の中で、この場を一緒に創っていきたいと思ってもらえる場を創り出すことをねらいとしています。
一部の企業研修などでは、マインドコントロールを意図して実施しているようなものもあるようです。
とても恐ろしいことだと思います。
人の気持ちが動く場をつくることは、どこかにその気持ちを操作するような要素があります。
それだけに何をねらいとしてその場をつくり、その場に参加する人の気持ちの動きをつくりだすかはとても大切なことだと思います。
きょうは、アイデア出し会議のファシリテーションにおけるプログラムデザインのなかのねらいの設計について、お伝えしました。
ねらいを設計することは、こちらの意図に沿って「落とし所を」を決めて、参加者を誘導することではないと思います。
あくまでも参加者の主体性を優先しながら、こちらの意図も伝えながら、必要であれば参加者とのコミュニケーションの中でこちらの意図も調整しつつ、一緒に創り上げていくもののように思います。
そういう意味では、ねらいというのは初めに決めたら絶対というものではなく、流動的なものなのかもしれません。
これがねらいとして正解というものはなく、その場で最適解や納得解をみんなで創っていくものなのかもしれません。
書きながらあらためて襟を正すような気持ちになりました。
真剣に真摯に設計をしていきたいと思います。
きょうは、ちょっと長くなってしまいました。
また、あした。
アイデア出し会議のファシリテーション1
こんにちは、ひとまち物語工房の服部です。
なんだかばたばたと落ち着かず、ブログも間に合わせの記事ばかり書いていたら、PVが減ってきたなぁ。
ごめんなさい。
で、ネタに困った時のファシリテーションシリーズの復活?(笑)
先日のファシリテーション・カフェで取り上げたアイデア出し会議のファシリテーションについて、何回かにわけてお伝えしていこうと思います。
これまでに企業の様々な企画会議やまちづくりのイベント企画、NPOの理念作り、商店街活性化の企画、地域協議会の事業計画作り、個人の行動計画づくりにと多彩な場面で使ってきたアイデア出し会議。
本当にいろんな場面で使えて、役に立ちます。
このアイデア出し会議のファシリテーションについて、プログラムデザイン、ファシリテーションデザイン、環境デザインの3つの観点からお伝えします。
その前に、この場づくりの3つのデザインについてお話ししますね。
会議なり研修なりワークショップなりの場づくりを考える際に、そこで何をするのか、どのように進行するのか、どんなしつらえでするのかにあたるのが、プログラムデザイン、ファシリテーションデザイン、環境デザインの3つのデザインです。
この3つをしっかり設計した上で現場のファシリテーションをすることが大切だなと思います。
まずは、プログラムデザイン。
これは、その会議や研修、ワークショップの場で何をねらいとして、どんなアクティビティ(活動)をどんな順番でするのかという流れを設計することです。
プログラムの大まかな流れとしては、①目的や目標の共有、②アイスブレイク、③メインコンテンツ、④振り返りということになります。
(※アイスブレイクについては、以前に「ファシリテーションについて」のカテゴリでご紹介していますので、ご参照ください。)
そして、ファシリテーションデザインは、そのプログラムの一つ一つの場面で、ファシリテーターがどんな関わり方をするのか、どんな場にしたいのか、そのためのファシリテーションのポイントはなんなのかを設計します。
環境デザインは、会場の机や椅子の配置、照明や空調の調整、付箋紙やマーカーなどの使う道具の種類や配置、BGM、お菓子やドリンクコーナーの準備など、つくり出したい場を支える環境に関するデザインです。
これらのことをアイデア出し会議の場合について、細かくひとつずつお伝えしていこうと思います。
また少し長くなりそうなので、何日かに分けてお伝えしていきます。
お楽しみに。(^o^)v
とりあえず、きょうはここまで。
また、あした。
ファシリテーター型リーダーシップ
こんにちは、ひとまち物語工房の服部です。
きょうはまた書くネタに困っているので(笑)、ファシリテーションシリーズをお送りします。(^o^);;
僕がファシリテーターとして場をつくる時に大切にしていることのひとつに“みんなで場をつくる”ということがあります。
それは、その場に参加する一人一人が、その場の目的や目標を共有して、互いを尊重して、みんなで力を合わせて場をつくっていけるようにしたいということです。
みんなが主体的にかかわり合う場をつくりたいと思います。
そして、そんな僕の場のつくり方を支える考え方がシェアード・リーダーシップの考え方です。
ファシリテーター型リーダーシップと言ってもいいかもしれません。
リーダーシップというと、カリスマ的なリーダーがメンバーを率いて導いていくようなことを思い浮かべる方もいると思います。
リーダーたるものはメンバーの信頼を集めて一人でチームを率いていかねばならないというような考え方もあったかもしれません。
でもそんなカリスマ的なリーダーはどこにでも現れるわけではありません。
それでもチームをうまく動かしていくためには、リーダーシップの役割をメンバーみんなで分かち合って果たしていけばいいというのが、シェアード・リーダーシップの考え方だと思います。
チームを動かすリーダーシップには、さまざまな役割(機能)があります。
大きくはタスク機能とヒューマン機能の二つに分かれます。
タスク機能は、仕事を前に進めるのに直接関係する機能で、目標の明確化、仕事の進め方の提案、情報共有、意見の要約、意思決定、時間管理などがあります。
ヒューマン機能は、人間関係に関する機能で、メンバーの参加促進やコミュニケーションの促進、感情の確認、対立や葛藤の調整、チームの規範への働きかけ、雰囲気づくりなどがあります。
そして、これらの機能をファシリテーターやリーダーが一人で担うのではなく、メンバー間で分かち合って役割を果たし、チームを動かしていけばいいのです。
チームに足りない機能があれば、まずは自分ができる役割を果たしてみる、あるいは誰か得意な人に振る、誰も得意な人がいなければ、チームみんなで話し合って対策を考えるようにすればどうでしょう。
ファシリテーションを学びはじめた頃、ファシリテーターが一人で頑張ってなんとか場を回していかなければと思っていた僕にとって、目から鱗の考え方でした。
この考え方に出会えたおかげで、無口で頼りない僕でもファシリテーターでいることができるようになりました。(笑)
またあした。
ファシリテーションとの出会い2
こんにちは、ひとまち物語工房の服部です。
ふと思い立って、、昨日から僕とファシリテーションとの出会いとなったワークショップについて書かせていただいています。
暗闇の中、太鼓の響き、ラコタ族の歌という怪しげな状況での衝撃的なワークショップとの出会いをご紹介しました。
で、そこからどうなったかというと…、
あっ、その前になぜそんなことになったのかということをご説明しておきましょう。
このワークショップのファシリテーターは、マザーアース・エデュケーションの松木正さん。
(マザーアース・エデュケーション https://www.mee-cante.com)
松木さんは、しばらくラコタ族の居留区にあるYMCAに勤めながら、ネイティブアメリカンの人や自然に対する考え方や儀式を学び、日本に帰って、それを学校や企業をはじめさまざまな場で、ワークショップを開いて伝えておられます。
ということで、ファシリテーターの自己紹介を兼ねて、暗闇の中でラコタ族の歌から始まるという超怪しげなワークショップだったわけです。
で、話を戻して、そこからどうなったのかというと、
この講座は3回連続講座だったのですが、内容的には互いにコミュニケーションを深めていくようなワークで、コミュニケーションをとりながらチームで力を合わせて課題に取り組んでいきました。
初対面だった参加者が回を追うごとにどんどん仲良くなっていくことを体験しました。
こんな体験は初めてでした。
引っ込み思案な僕が、初対面の人たちと短時間のうちに仲良く語り合えるようになったことに驚きました。
これはすごい!と思いました。
これを会社の研修に取り入れられないか、会社のコミュニケーションをよくするのに使えないかと思いました。
会社で行う研修のネタを探し求めていた時期であると同時に、社内の人間関係に悩んでいる時期でもありました。
ワークショップやファシリテーションに人と人との関係性をよりよい方向に変えていく可能性を感じました。
ぜひこれをやりたいと思いました。
そして、僕はここから2年間にわたって松木さんの講座を受け、ワークショップやファシリテーションを学びました。
自分自身を見つめるものから、人とのコミュニケーションやチームワークを学ぶもの、自然を感じる感覚を養うもの、屋内でできるもの、自然の中で行うもの。
たくさんのワークを体験し、学びました。
スウェットロッジやビジョンクエストなどのネイティブアメリカンのスピリチュアルな儀式も体験しました。
たくさんの仲間ともつながりができました。
これが僕とファシリテーションとの出会いの物語であり、後に会社勤めを辞めて人生を踏み外すきっかけとなりました。(笑)
あなたはファシリテーションにどんな可能性を感じ、何を期待しますか?
また、あした。(^o^)v